香焼のことを学べる約4万冊の蔵書がある図書館です。ここには干鰯の商いのために香焼に来た村井喜右衛門（きえもん）が、約200年前に長崎港に沈没したオランダ船「エリザ号」を引き揚げた際に用いた仕掛けの模型が展示されています。エリザ号は1798年（寛政10年）に来崎。貿易業務を終えて10月17日の夕方には長崎港を出港する予定でしたが、高鉾島付近で暴風雨に遇い座礁。翌18日には完全に沈没しました。時の長崎奉行であった朝比奈河内守昌始は、さっそくオランダ船の引き揚げを地元の人々やオランダ人に依頼しましたが、ことごとく失敗。最後にワラをもつかむ思いで依頼したのが村井喜右衛門でした。アメリカのペリーが来航した際にも、喜右衛門によるオランダ船の引き揚げが話題になったと伝えられています。